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日本の風水である「家相」(かそう)も、中国発祥の「風水」も、土地や環境の吉凶を占い、そこに住む人の家をよい運気の影響下に置こうとする点では違いはありません。

ただし、風水が墓地の選定を中心に発展してきたのに対して、日本ではもっぱら住宅の吉凶判断に主眼が置かれました。

※中国のように、墓地の選定を中心に発展してきた風水術を「陰宅」(いんたく)、住宅の選定を中心に発展してきた風水術を「陽宅」(ようたく)といいます。

これは、個々人が墓を営むという慣習が、日本の場合は近世以降に発達した比較的新しい慣習だったこと、中国のようにどこでも自由に遺骸を埋葬できなかったこと(風水の良し悪しにかかわらず埋葬地は限定されていた)などによります。

日本の「家相」は、広い意味での陽宅風水の中に含まれます。

ただし、風水と異なっている部分が少なくありません。

例えば風水では、その人が住む土地・住宅の方位との相関関係から吉凶が割り出されます。
つまり、吉凶は、住む人によって変化することになります。

一方、家相では、方位の吉凶が固定的に定められており、つまり運命は、住む家によって決まるということになるのです。
この考え方から、鬼門(北東)などに対する、日本独特の禁忌(タブー)も生まれてきました。

これらのことから、風水が、個人と環境との相関関係を占うものだとするなら、家相は、環境が万人に及ぼす運命的影響を占うものだといえるでしょう。

こうした違いの背景には、土地を絶対視せざるを得なかった文化風土や、日本と中国の国民性の違いも影響しているといえそうです。


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参考書籍
「風水の本 天地を読み解き動かす道教占術の驚異」 学研

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